当院が参画する多施設共同による特定臨床研究において、当院で臨床研究法への重大な不適合が判明しましたのでお知らせします。
【研究課題名】
「統合失調症患者を対象としたルラシドンと認知機能リハビリテーション(NEAR)の併用による認知機能への影響を検討する研究」(研究代表機関:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
【不適合の内容】
本研究では、「前治療抗精神病薬(主剤)の漸減を始め、ルラシドン又はパリペリドンへの切り替えを開始し、患者の状態を確認しながら、4週までの間に前治療抗精神病薬を漸減中止する。」と規定している。当該事案においては、前治療抗精神病薬であるオランザピン2.5㎎を中止することなく、試験薬(ルラシドン)の上乗せを行った。
【再発防止策】
- スクリーニングに使用している、チェックシート(選択基準・除外基準)に併用禁止薬、併用禁止療法に関する項目を追加し、見落としがないようにした。
- スクリーニングから研究開始時までに、主治医以外の医師による処方のダブルチェックを行うようにした。
- 模擬症例を用いて、その症例がエントリー可能かどうかを問うテストを行い、プロトコル遵守の意識を高めるための研修を行った。
なお、当該事案による本人に対する安全性への影響はありませんでした。
本件について、臨床研究審査委員会にて審議され、厚生労働大臣に報告の上、当該研究を継続することが許可されています。 今後は、上記再発防止策を徹底し、安全に臨床研究を進めてまいります。
令和7年3月5日
医療法人 桜桂会 犬山病院
病院長 高沢 悟