新しい年の初めに

理事長 吉田 弘美

新しい感染症狂想曲が流れてから早三年。つくづく思うのが科学は社会に勝てないということです。マスクひとつとってみてもマスクの有害性を説く論文は数々あれど、その有益性を説く論文にはお目にかかったことがありません。ただそうは言ってもマスクをしていないと非難されるので、するしかありません。

ワクチンの接種が進み実際に感染して免疫を持った人が増えたことで、インフルエンザのような感染症に近付きつつある新型コロナウイス感染症です。つまり2020年から2021年にかけてアルファ株が流行した時と今では明らかに状況が違ってきています。それにも関わらず以前と同じように対処しているなどというのは不勉強の極みでしかありません。人の振る舞いが多様化する中、感染のリスクのある行動を各人でどうとるかの問題だと思います。「これが正しい振る舞いでこれは間違った振る舞い」という言い方はもはやできないと思います。ただリスクを避ければ避けるほど、できない事は増えていくので、その判断は各自でするしかないと思います。何はともあれ社会を回すためにはある程度のリスクをとっていくしか無いでしょう。

世界は色々難しい局面を迎える中、日本だけがこんなに内向きで良いのかと思います。常々、考え方の指針を仰ぐ加藤周一さんの著書「日本文化における時間と空間」の中で彼は「日本人は、時間的には過去や未来と現在を区別する意識が曖昧で、空間的には外部との関係のなかに自らを位置づける感覚に乏しく、関心は常に集団や共同体の内部に向けられる」つまり日本人の意識は「今=ここ」に集中していると指摘しています。本当にその通りだと思います。ただこのご時世こんなに視野が狭くて良いのかと心配せずにはいられません。

さて、2023年、新型コロナウイルス感染症は今よりも「普通の病気」になっていくでしょうが、保険診療だと自己負担も増えることになるでしょうね。
初詣は恐ろしい変異株が出ないようにお祈りしてきました。

(白帝ニュース 令和5年1月)


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