代わりはいるもの

内科部長 山田 貴章

今年の夏は土用の丑が2回あったので、貴重なうなぎの代わりに代用うなぎ(うなぎの代用食品)を食べようと思っていました。うなぎは、特に食べたいというものではありません。日本の食卓から消えていっても仕方がないと思っていますが、むしろ、代用食品という分野に興味があるのです。代用食品とは、流通や文化・宗教など様々な理由で食べることのできない「本物」の代わりとして似せて作られた食品のことです。コピー食品とか代替食品とも言われます。国を問わず、様々な時代・地域において様々な理由で多様な代用食品が生まれてきました。その理由のひとつとして、大切な食文化を守りたいという願いもあったのだと思います。

代用うなぎにもいろいろあるのですが、今回は、ねりもの(カマボコ)で作られたものを入手しようと考えていました。しかし、6月に予約がはじまるとすぐに売切れてしまい、結局、食べることはできませんでした。製造に手間がかかるので供給も多くないのでしょうが、世間の関心の高さを感じました。
持続可能性とか難しいことを考えずに代用食品を楽しもうと思ったら、代用コーヒーがおすすめです。母の実家では大豆コーヒーだったようですが、僕はもっぱらたんぽぽコーヒーを飲んでいます。他にも、チコリや大麦(オルゾ)を使ったものがあります。どれも見た目はコーヒーなのですが、味や香りはまったく別物です。なんとも言えない「コレジャナイ感」も代用食品の楽しみだったりしますが、その気になれば、コーヒータイムをちゃんと楽しむことができます。
人間にとって食べたり飲んだりするという行為は、単なる栄養や水分の摂取ではなく、とても重要な意味を持っています。楽しみであり、気持ちが落ち着いてリフレッシュできたりします。有名な話ですが、元・帝国ホテル総料理長 村上信夫シェフがシベリア抑留中にリンゴで作ったパイナップルのデザートは、食べた人々に生きる勇気を与えたと言われています。

僕には、以前からずっと憧れている代用食品があります。代用コーラです。コーラの原液が輸入できなくなった時代にコカ・コーラのドイツ法人が開発したもので、広く成功をおさめました。それが、初期のファンタ(Fanta)です。日本でも清涼飲料水として人気のあるファンタですが、日本にはアメリカ本社経由で導入されたため、代用コーラ味のファンタが流通したことはありません。僕たちには馴染みがないのですが、欧州では本物を飲むことができるようになった今も親しまれている味なのだそうです。同様に、代用コーラとして作られた歴史を持つ東ドイツの Vita Cola やソ連の Байкал も、現在でも普通に売られているということです。一時的な代用だった筈なのに、代用する必要がなくなった後も人々に愛され続けているというのは実に興味深いことだと思います。

(白帝ニュース 令和4年9月)


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