天気は水とともに

診療部長 足立 加奈子

この原稿を書いている頃は、NHKの朝ドラで「おかえりモネ」をやっています。主人公のモネが東日本大震災の経験を経て、気象予報士として奮闘するストーリーです。自然や気象をテーマに、その土地でしぶとく明るく生活している人たち、葛藤を抱えた友人、姉妹、恋愛などがさわやかに描かれています。
モネは、控えめでおとなしく、誰にでも優しく、感情を荒げることはありません。その上、東京で朝のお天気キャスターとして働き、生放送に出演するというすごい度胸を持っています。
やがて、「大切な人たちを守りたい」という思いを抱いて地元に帰り、周りからなかなか認めてもらえないのですが、めげずに謙虚に頑張っていきます。「いい子過ぎるよね!?」といつも思ってしまうあまのじゃくな私です。

さてドラマの冒頭で「彩雲」が出てきました。彩雲とは虹色に輝いた雲です。モネが出会った気象予報士が予告した通りに彩雲が現れ、モネが感銘を受けた場面でした。私はこんなきれいな雲の存在を知りませんでしたし、気象予報士とはなんてロマンのあるお仕事なのか、とイメージが変わりました。それ以来、私は彩雲を見たくて空をよく見上げるようになりました。残念ながらまだ出会えていませんが、虹を見る機会が増えたような気がします。ある日、夕焼けに照らされオレンジ色に輝いている虹を見ました。その数分後にはあとかたなく消えていて、かわりに黒い雲が急激に現れていました。あの時目を離さずに見ていたら、雲や虹が大きく変化していく貴重な瞬間を見られたかもしれないのにと残念でした。そもそも自分が気づかないだけで、空ではもっと頻繁に虹が現れたり消えたりしているかもしれないとも思いました。

ドラマの中で「空と海と山は水でつながっている」というテーマがたびたび出てきます。天気は水の循環なのだそうです。水蒸気となったり、水となったり、形を変えながら存在し、一見別々のものを結びつけているのです。普段意識していませんが、言われてみれば腑に落ちます。虹も、空気中の水滴に太陽の光が反射している現象であり、水が関わっているのです。雨雲レーダーを見ていると、30分後に雨が降りますとか、しばらく降りませんとか、予測がころころ変わっていく日があります。それも、雨雲が発生したり、消えたり、移動したり、水の変化が複雑に起こっているのだろうと想像すれば、天気予報に腹を立てずに納得できる気がします。ある日の夕方、地面から登り立つ黒い煙のような雲に追いかけられ、まもなく飲み込まれ、嵐のような風雨の中を帰ったことがありました。車の中は安全なはずですが、本能的に恐怖を感じたのと同時に、雲の発生を目の当たりにしたような光景はとても不思議でした。

天気は水の移動とともに、ダイナミックに変化し続けています。大きな自然が感じられます。彩雲や虹といった宝物のような現象に出会えることもあります。ちょうど今朝、お天気雨が降ってきたと思ったら虹を発見し、はっと目が覚めたような気持ちになりました。しばらく空を見上げる日々が続きそうです。

(白帝ニュース 令和3年11月)


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