秋の夜長の妖怪話

診療部長補佐 足立 加奈子

夏の終わりとともに、「日が暮れるのが早くなりましたね」という言葉が周りで聞かれるようになります。「秋の日はつるべ落とし」ということわざがあります。井戸の中につるべが落ちていくように、あっという間に日が沈むことを表しているそうです。そして夏に比べて秋は、日没後、急速に暗くなっていくのだそうです。以前ハイキングの下山中に、どんどん暗くなり、気持ちは焦っても足は疲れて思うように進まず、恐怖がじんわり押し寄せてきた記憶があります。昔の、電気やケータイがなかった時代では、暗くなる前に帰宅することは身を守るための重要な約束事だったことでしょう。

さて先日、妖怪大百科という本を眺めていたところ、「つるべおろし(またはつるべ落とし)」と呼ばれる妖怪がいることを初めて知りました。「つるべおろし」とは、「夕暮れ時に出てくる妖怪で、木の上から突然落ちてきて、通りがかった人間をおどろかしたり、おそいかかって食べたりする。木の上からつるべや鍋が落ちてきたとしたら、つるべおろしの仕業であり、つるべや鍋の中に宝物やお金が入っていても、うっかり手を出すとそのまま吊り上げられて食べられてしまう」とのこと。また「姿はいくつか種類があり、大きな首が下りてくる、精霊が火の玉になって降りてくる、真っ赤に焼けた鍋がおりてくるなどいわれている」そうです。想像するだけで夕方早く帰りたくなってきますね。

このように、生きていくうえでの知恵を示唆しているような妖怪がいたり、人々の暮らしや人間模様を表しているかのような、想像力を刺激される妖怪がいたりします。いくつか紹介します。まずは「二口女(ふたくちおんな)」。これは「若くて美しい女が頭の後ろ側にもうひとつ口があり、その口で何十倍のご飯を食べてしまうので、うっかり結婚するとたちまちお金がなくなってしまう。しかも手だけでなく髪の毛でも食べ物をつかむため、食べるスピードが速い。食べ物が無くなると夫を食べてしまう」とのこと。恐ろしい妖怪ですが、頭の後ろに隠れて口がある姿を想像するとおもしろいですね。もう一つは「ぬらりひょん」。これは「年末の忙しいときにどこからともなく勝手に上がりこみ、お茶を飲んでくつろいでいる。みんなが、あれは誰だろうと思っているうちに気がつくといなくなっているか、またはどけようとしてもぬらりくらりとして、つかまえようのないへんな妖怪」とのこと。このようにまったりした気ままなキャラクターなのに、なんと妖怪たちのリーダーなのだそうです。最後に「垢なめ」。これは「夜にこっそりお風呂場にあらわれて、長い舌を使って風呂おけについた垢をペロリペロリとなめる。とくに悪さはしないが、お風呂をきれいにしていないとこの妖怪が出る。また病気で長い間苦しんで寝ている人の垢をきれになめおとしてくれる。『垢なめさんきっとまた来てね』と言わないと二度とはあらわれてくれない、礼儀をわきまえためずらしい妖怪」とのこと。ほほえましいですね。日常生活のふとした場面で、妖怪の存在を感じてみるのも楽しいかもしれません。
<出典;大迫力!日本の妖怪大百科(山口敏太郎 著)、日本妖怪図鑑(佐藤有文 著)>

(白帝ニュース 令和元年10月)


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