時間の流れ

教育部長 末続 なつ江                            

皆さん、ご存知のこととは思いますが、先日、日野原重明先生(聖路加国際病院名誉院長)が、105歳で人生の終焉を迎えられました。生涯現役として幅広く活躍され、医療、看護、介護、更に世の中のさまざまな分野や人々にも多大なる貢献と影響をあたえられた先生です。75歳の時シニア世代の新しい生き方を提唱し、"新老人の会"を結成されました。また、成人病と呼ばれていた脳卒中や心臓病を生活習慣病と呼ぶように提唱、人間ドッグを開設されたのも日野原先生です。
私の一番印象に残っているのは「サリン事件」の時の先生の対応でしょうか。テレビで放映された映像は、負傷者を治療する戦場のような映像でした。いち早く一般の外来診療を中止し、サリン被害者を受け入れられ、リーダ-シップを発揮される先生の姿が目に焼きついています。10年分のスケジュ-ル表を携帯されていて、2020年の東京オリンピックの時までスケジュ-ルが入っていたとも聞きます。
2010年4月に犬山の市民会館で講演された時(100歳に近い年齢だったと思いますが)に聴講したのですが、言葉の一つ一つに魂がこもっていて、心に響くものがあり感動を覚えた記憶が鮮明に残っています。
比較にはなりませんが、私も看護職につき40年が過ぎました。あっという間の40年でした。年を重ねると一日一日、一年が短く感じます。
年を重ねていくと、残りの人生どう生きていくか、自分が出来ることの目標を持ち、自分に関わりのある人々の人生までも"こうであって欲しい、こうして欲しいと"ふと考えてしまいます。そしてその延長線上で自分の死生観にまで結びつけてしまいます。
若者は時間をどのように受け止めているのでしょうか。時間の流れや大切さを考えないまま過ごしているのでしょうか。私が若かった頃と同じ様に時間の流れに無関心なのでしょうか。
ある雑誌に"若いころはすぐに出来ていたことが、年を重ねると同じことを行うにしても時間をかけないと出来なくなってくるから一日が短く感じる"のだと書いてありました。
これにはエビデンスはないように思います。(他にも諸説ありますが)
19世紀、フランスの哲学者、作家でもあり倫理学の教授を務めたポール・ジャネという方がいて、この方は「ポ-ル・ジャネの法則」を考案し、そのなかで、生涯のある時期における時間の心理的長さは、その時の年齢の逆数に比例すると述べています。この法則にのっとり1年を式であらわすと、1÷年齢=感じている1年の長さ、となります。
例えば、5歳の子供が感じる1年の長さは、「1÷5=0.2」なのに、50歳の大人が感じる1年の長さは「1÷50=0.02」にしか感じないということなのだそうです。同じ1年でも子供と大人が感じる時間の長さがこれ程違うんですね。
もちろん、これはあくまで理論値であり実際にはここまで短く感じることはないのかもしれません。でも、日々、時間や1年の短さを感じている私は納得できるものがあります。
また日野原先生が述べられている"命は時間"という言葉を考えてみると自分自身さらに大きな納得に変わります。命も時間もあるのが当然だからとその大切さを意識せずに過ごしてきた自分。だからこそ病んでいる人のためにその時間を使うことが出来ればと思います。
"1年が過ぎるのが早いなぁ、また年取っちゃう"と思う私ですが、患者さんに関われる場にいてこそ看護師としての醍醐味であり、生きがいであり、やりがいであると思っています。
日野原先生のように生涯現役はとても難しいのですが、私なりに出来る限り現役でいたいと思っています。私が感じる短い時間の流れの中で。


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