私の関心ごと

教育部長 末続 なつ江

最近、認知症についての研修会や講演会、意見交換会などが頻繁に行われている情報が再三入ってきます。
それほどに注目され多くの人が発症し、国民病といわれるほど認知症は身近な病気になっています。歳を重ねてくると知らず知らずのうちに認知症のことに注意が向いているのは私だけでしょうか。
60歳代の私は、時に物忘れが何度か続くと“もしかして認知症の入り口かもしれない”と自分で記憶をたどったり、その他の高次機能(知覚、思考、学習、判断などの認知過程と行為、感情を含めた精神機能の総称)といわれる機能を使い安心を得ようと自分を試したりすることがあります。

今、認知症の方は全国で462万人とか、またMCI(Mild Cognitive Impairment)と言われる軽度認知機能障害の方約400万人を入れると、現在、認知症900万人時代です。
三大認知症といわれるものは、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症です。半数はアルツハイマー型認知症で次に多いのがレビー小体型認知症といわれています。三大認知症は認知症全体の85%を占めるといわれ、15%は治るタイプの認知症だそうです。認知症は治らない病気と理解されていますが、原因が様々であり中には治療を適切に行うことで治るものもあり、その中の一つに突発性正常圧水頭症があり脳室が広がる病気です。その他、脳腫瘍や代謝障害によって引き起こされた認知症の場合、治療の余地があるといわれています。

アメリカでMCIと診断された600人を対象とした追跡調査によると、5年以内に認知症への移行率50%、MCIのまま40%、改善が10%という結果が報告されています。
一般にMCIと診断され認知症に移行するまでの期間は5年~6年程度といわれていますが、健常者と認知症の中間にあるMCIは認知症の予備軍といえます。
“MCIを早期に発見するためには”と書かれた文章には最初に現れるMCIのサインは歩行のリズムの乱れとあり、また、MCIの人は健常者と比較すると歩くスピ-ドが遅く、歩幅が狭く、足の運び方が乱れてふらつきやすいとも。全てが当てはまるものではないのでしょうが・・・・。

この状況を改善するには ①30分程度の早歩きを週3回行う ②食生活の改善 ③血圧の管理 ④記憶力ゲ-ム ⑤軽い筋肉トレーニング、このようなライフスタイルに取り組んだ結果MCIが25%改善されたと書かれていたように記憶しています。
認知症を促すといわれる生活習慣病(糖尿病、高血圧症、高脂血症、肥満等)を早期に治療し運動習慣を身に付け、社会的交流や読む、書く、考えるなどの知的な生産力を鍛えることや、禁煙等も認知症を抑制する因子となります。
認知症の方の看護は精神科看護と共通点があるように思います。精神疾患により認知機能が低下することがあるため、基本的なコミュニケーションの取り方、人としての尊厳や権利を守る事や、信頼関係を構築するプロセスが類似しているように思えるからです。
生活習慣病がリスク(危険因子)と提唱されることも共通部分ではないでしょうか。

認知症の方と接するにつけ、その発症による言動が精神疾患のように受け止められてしまうケースも増えているように思います。MCIの段階で“最近ちょっと変かな”というサインを見逃さず、早期発見することで、少しでも早く専門の病院受診をすることができれば、認知症の発症予防、症状の重篤化も軽減できるものと考えます。そのためにも、地域や行政で行われている認知症対策の理解とともに、本人や家族が安心して暮らしていけるように、メンタルヘルスにおける医療、福祉、保健の三位一体となった、地域で支える支援体制の更なる充実が必要であると強く感じる日々です。


(白帝ニュース平成28年9月)


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