「送り手と受け手」
看護部長 永田 英樹

白帝ニュース6月号にて井上院長も話題にされていましたが、幕末・明治維新の近代史は私も興味があり、色々と本などを読んだりしています。
特に司馬遼太郎の小説は大変面白く、その時代の活躍した人々を甦らせてもらえます。
しかしそこは小説・フィクションであります。史実と違うところもあるであろうし、司馬遼太郎の思いが形を変えてしまっているところもあります。と言って、私もその時代に生きていたわけではなく、「史実」と書かれた本を読んでも、何が正しかったのかは分かりません。例えば、関ヶ原の徳川家康と石田三成。忠臣蔵の浅野内匠頭と吉良上野介。幕末の徳川幕府と新政権(長州・薩摩)等々。石田三成は江戸時代では奸賊(かんぞく)(憎むべき悪者)でしたが、このところ秀吉に忠義を尽くした武将として再検証されています。吉良上野介も四十七士に仇を討たれますが、地元では名君です。
遠い昔の事なので、誰が良くて誰が悪いかなんていうのはナンセンスかもしれません。
しかしその伝え方により、受け手は左右され、プラス自分の価値観で判断してしまいます。
最近読んだ歴史関係の本は、「明治維新という過ち」(原田伊織著)や「もう一つの『幕末史』」(半藤一利著)で、内容は、今まで歴史教科書で習った近代史とは趣が異なる内容でした。最近でさえ国の在り方が時の政府に左右され、民衆の想いとは裏腹なことも多く、その時代の選ばれた人が、日本の歴史を作っていきます。それが良かったのか、悪かったのかは、未来の人が判断することとなるでしょう。が、それがどのように伝えられるかです。
「明治維新という過ち」では、吉田松陰以下、長州人はテロリストで、天皇など皇族をうまく利用し、天下を取り、その流れは太平洋戦争まで続いたとか…。教科書では薩摩、長州らに占められた明治政府については書かれていますが、私利私欲で自分たちの想いを貫き、新しい日本を作り上げてきたことは、まだまだ機能できる江戸幕府を崩壊させてまでも必要であったのか、ということも描かれています。
余りに私的な事ですが、大河ドラマも近代前後を取り上げていると、毎回とは言えませんが見ていました。その中に、度々「久坂玄瑞」という歴史人物が出てきます。その役を色々な俳優が演じていましたが、「新撰組!」(2004年)では池内博之。現在放映中の「花燃ゆ」では東出昌大。これは個人的な見方かもしれませんが、幕府側から作ると厳つい役者、長州・薩摩側から作るとイケメン役者!私も超過激派的な印象を持っていたのですが…。これも、歴史上の人物が送り手によって、見るものがその思いを左右されてしまっています(私が単純なんですね)。そんな単純なことが刺激になって、今は「久坂玄瑞」について、本を読んだりしています。因みに、久坂玄瑞は高杉晋作と共に吉田松陰の双璧と呼ばれた人物。今の中学生ぐらいの年に、両親・兄弟共に死に別れ天涯孤独となってしまいました。父親が藩医(長兄も医学の道へ)だったたこともあり、何人かの識者が玄瑞を支えました。いろいろと学ぶうちに天下国家に興味を抱き、そのために見識を深め、勤勉性と共に国を動かそうとしていき、そこに、師であり、同胞である吉田松陰と短い生涯を進んでいくのでした。
人は自分の価値観を持っています。その価値観によって自分の考えが左右されていきます。色々な情報が飛び交う中で、何が良くて、何が悪いか、判断するのは難しいものです。しかし、誰もが、送り手であり、受け手であることには変わりなく、そこら辺を時には、振り返る必要があるかも知れません。

(白帝ニュース平成27年9月)


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