新春座談会

あけましておめでとうございます。新年にあたり理事長を囲んで座談会が催されました。よりよい患者さんサービスや働きやすい職場、精神科病院で働くことの魅力など和気あいあいと話し合いがなされました。その一部を抜粋し掲載します。

理事長 末続教育部長 林看護師長 岩下主任看護師  金臨床心理士 
吉田ケースワーカー 中倉ケースワーカー 

理)うちの病院は古いから、古いことから変わらない、変わることがすごいおっかないみたいに思っている人がいっぱいいるみたいで。うちの病院、休みの日駅からのマイクロバスが無いでしょ。「おかしいでしょ」といわれて。ふっと考えてみて、おかしいんだよね。休みの日にお見舞いに来る人もいるわけでしょ。病院から駅に行きたい患者さんやメンバーさんもいるし。だからおかしいと言われればおかしいじゃんと。この前、関東の病院の院内学会におじゃまさせてもらった時は、そこは普段はうちとおなじくらいのマイクロバスが走っていて、休日はハイエースに変わって本数は減るけど動いているわけよ。うちの病院は来年で50周年。50年もやっていると、いいこともわるいことも昔からやっているからの一言で終わってしまうことってすごい多いわけじゃない。これから先それだとどんどん取り残されていくことになっちゃう。あとやっぱり、みんながもっと働きやすい職場、風通しのいい職場にしないといけないなというのがある。切り口が違うといろいろな意見が出てくるでしょ。看護職、コメディカルなど全然話が違うと思うし、お互い言いたいこともあると思う。当たり前だってなっちゃうと硬直しちゃって、組織としても患者サービスとしても最低なわけじゃない。だから、新春座談会という感じで企画しました。
来年で50年、すごいありがたいことなんだけど、昔は病院がたつとそれだけで患者さん来てくれた。今はこれだけ増えると魅力がないと来ない。
うちは人材はすごく良い人がいっぱいいる。うまく機能させているかどうかの問題。すごくいい人がいるからもっと有効に働いてもらわないとよくないんじゃないと。力ある人が有能に働けているっていうことは、それだけその職場が魅力があるってことでしょ。そうなるためには経済的なものも魅力の中のひとつかもしれないけど、それは仕事の魅力の中の要素としては大きなウエートを占める訳じゃないっていうか、易く言う訳じゃないけれど、そうじゃなくてもっと本質的なところでみんなが感じているとこがあったら聞きたいと思って。みんながどういうふうにモチベーションを保ってもらえているか、職場の中では一番大事なことだし。自分の中で、どのへんに光を見出しているか。一人一人、年齢とキャリアでも違うと思うんだ。
金さんはこの中で一番若いじゃない。何年目?

金)2年目です。

理)そもそも、なんで病院の心理士になったの?

金)元々は病院職にも興味はあったんですけど、子どもの領域にも興味があったので、お子さんと関わる仕事ができればなって思っていたんですけど。実習で犬山病院のディケアに来させていただいて、患者さんに対する魅力というか、メンバーさんやスタッフがみなさんとても暖かくて。こういう暖かい人たちに囲まれながら私もお仕事をしたいと素直に思えたし、暖かいメンバーさんの空気感、人間味を引き出せるような心理士になっていきたいという思いがすごく強くなって。そこから病院というより、犬山病院で働きたいという思いが強くなりました。

理)一番驚いたことってある?

金)教科書や実習で学んできたこととは桁外れというか。現場に出てみると通用しなかったりだとか。

理)そうだね。それは山ほどあると思う。学校出た時や国家資格取った時って一番自分できるとか思うんだよね。確かにあの当時ってのは何でも知っていると思う。なんだけど、患者さんに当てはまるかというと、木っ端みじんになるんだよ。自分、知ってても何も役に立たないじゃんってなった時に、そこからがどうやって勉強していくかで伸び方違うと思う。だけど、なんだって思ったらそこでとまっちゃうから。教科書と違うじゃんと思った時にどう考えるかだよね。
一番看護で免許をとったのが若いのは岩下さん?

岩)そうですね。

理)取ってすぐ精神科だっけ?何で精神科?

岩)僕は、老人さんの世話をするためにと思って仕事を変えたんですが、現実をみてしまって。介護職は一生やっていくにはちょっと生活が、というところがあって。看護職を見るようになって、その中でも自分の関わっていきたいなというところは精神科にあったんです。僕はしゃべるのが好きだとか、人を嫌いになることがあまりないんです。そういう人と関われるという自分の長所である部分でかかれるというところが精神科だったんです。精神科の病院はいくつもありますけど、地元というのが大きいです。育ったところでもありますし、将来の親の世話もありますし。

理)一瞬でもER(救急救命)への憧れは?

岩)それは、ないんです。
皆 (笑い)

理)林師長はまた違うもんね。ずっと患者さんと触れ合ってくれていて、途中から看護師の資格を取ったもんね。

岩)最初、ミュージシャンですよね。
皆 (笑い)

林)いや、生活指導員です。(笑い)
転機があって、内科疾患合併症の老人患者さんが増えてきた頃で。でも注射も打てない、点滴もうてない、アンプル一つも切れなかったから。そういうことも含めて資格を取ろうと思いました。そうすれば両立できるものだから。レクリエーションもできれば、注射もできるしって。そんな考えで看護の勉強をしました。

末)取ってよかったですか?

林)よかったです。技術的にもそうですけど。達成感というか、資格を取った時は、これで何でもできると思ってましたからね、どんな患者さんでもこいと。それが段々年月を経て、今のペースができて、まんまるになってきました。資格取った頃はもっと自分が頑張らないと、との思いで力が入りすぎて四角張っていました。

末)私も看護の資格を取ってよかったと思っています。“治せない病気はあっても看護できない患者はいない”というじゃないですか?ねっ。良い看護を提供しようと思うと患者さんとの信頼関係が大切だし、真正面から向き合う事が不可欠ですよね。私達は看護の過程で患者さんの成長を望むけれども実は、患者さんに成長させてもらっているのは私達のほうなんですよね。精神科の醍醐味はなんと言っても患者さんとじっくり向き合いコミニュケ-ションが取れることでしょうか?そして全人的に患者さんを捉える事だと私は思っています。そしてあきらめない事かな・・・。

理)林師長が資格をとったのって、何年前だっけ?20年くらい前?

林)そうですね。

理)その当時は統合失調症の人が多かったよね。前に吉田さんが言っていたのは、「そういう時代があったらしいですね」って。「ぼくらの世代で入っていったのはうつ病」だって。

吉)こころの健康フェスティバルに行ったときに、精神科に興味があってボランティアをしている高校生が「精神疾患とは」という内容のポスターを掲示していました。うつ病のスペースが4分の3くらいで、統合失調症に関しては右下に小さく書かれていました。今の世代の人たちは、精神疾患といえばうつ病なのかなっと思って。

末)社会の風潮としてうつ病は前面に出ていますでしょ。統合失調症は少なくはなってはいない。ずっと一緒だけど、隠れてしまっている。だから、若い子たちはそういうイメージが多いんでしょうね。

吉)そうですね。入院していらっしゃる患者さんの割合は、昔も今も統合失調症の方の割合が多いですし。精神科を受診するハードルって、昔に比べると低くなりましたよね。精神疾患に対する偏見や差別も少なくなってきた。でも、ごく一部ではあると思うが偏見を抱いている方もいらっしゃるみたいで。以前患者さんとお話をさせてもらった時に、「犬山病院に通院しているとは言えない」と言われる方がみえたのを覚えています。きっとその方なりに、精神科に対するイメージがあまり良くないのを感じられたのだと思います。でもその方は定期的に通院しているし、「入院中はお世話になりました」と言ってくださる。そういうギャップが精神科にはあるのかなと思います。

理)それは分かるな。病院にはいろんな患者さんが来て、合う人合わない人いるでしょ。それはあってしかるべきことだから。アメリカのMBA(経営学修士)でも人間、最後は相性だからと教えているらしいから。

中)合う合わないというよりは、どうやって患者さんやご家族との信頼関係を築いていけるかという点を注目したり、関係性の中からどのような支援ができるかを考えます。また、患者さんの中には人付き合いが苦手な方もいらっしゃるので、人との関係を築いていく練習の場としてもらうこともできると思います。

金)合わないなというよりかは、この人を支援していくのが自分がしんどいなという捉え方で。あとは、お話をしていて、出会うべくして出会ったと全ての患者さんに対して思うので、そういう視点でみていくと、合わないなら合わないなりに、面接の中でこの人のどういうことを支援していけるか、この人の問題になることってどんなことなんだろうっていうのを、自分と患者さんの関係の中から見つけていくことができます。

理)ケースワーカーと心理士は、自分たちは医療職の中で何だと教わった?

吉)僕が心に残っているのは、ケースワーカーの仕事は「交通渋滞の道案内」だと言われた事があります。渋滞にはまった状態で困っているのが今の状態だとしますよね。渋滞を抜け出そうとして回り道をしようと思っても、右にも左にも幾つも道があってどの道を進めば良いのか分からない、これが複雑な制度だとします。私達ケースワーカーの仕事は、その道はどういう道なのかを案内し、回り道をする人が望む方向に進めるようにする。「こっちに曲がってください」とか誘導するのでは無くて、その人自身が選べる支援をする事が大切だと。選んだ道がたとえ遠回りだったとしても、ゆっくり進みたい人、遠回りが好きな人もいる。近道が一番良いとは限らない、急な坂の近道を進むことが出来ない方でも、ゆるやかな遠回りなら自分の力で進める人もいる。この例えには感銘を受けました。
ケースワーカーとして仕事をしていて、経済的に困っている方の相談を受けて年金の支給が決まったとか、そういう報告を受けた時は、上記の例えを使えば私達は道案内をしただけなので、年金の支給が決まったのはその人自身が頑張った証なのだと感じます。経済的な理由で通院することが難しかった方が、定期的に病院で笑顔を見せてくださる時は、一番この仕事のやりがいを感じますね。

理)難しいこと考えなくても、一番患者さんとの自分の関係をどのように考えればいいかというと、お医者さんに出来ない話、看護師さんに出来ない話、心理士さんに出来ない話、それを聞くのがケースワーカー。看護師は医者に言えない話、ケースワーカーに言えない話、心理士に言えない話を聞く。心理士もみんなに言えない患者さんの言葉をきくことが一番大事なこと。
うれしいことはある?

岩)最近主任をいただいて、今までしゃべったことがない人が挨拶をしてくれたり、頼ってくれる。判断する機会を与えていただいているので、頼っていただけていると感じられる時ですね。

末)判断して、段々成長していけるもんね。

理)現場が一番正しい。一番分かっているんだから。自分の頭で考えてやって、これだと思ったらそれでいい。失敗したらみんなでカバーすればいいんだから。取り返しのつくことはどれだけ失敗しても構わない。

林)そのことは師長になった時によく言われました。でもその頃は若かったから、失敗しちゃいけないと。言葉では分かっているんですけど。

理)肩の力を抜けばいい。その患者さんのことをよかれと思ってやっていることだったら、現場がその患者さんが欲しいものって渡せるわけでしょ。その瞬間に。
あと、今年の話になるけど、薬価のことなどあまりいい話はないけれど、どのような状況になっても楽しむことを考えた方がいいと思う。その方が健康的だと思う。どうしたら楽しめるか、いろんな状況になったとしても楽しんでいけたらいいんじゃないかと思う。もっとみんな話をしないといけないと思う。あと、スピードが大事だと思うので、自信を持ってやってください。失敗することは悪いことじゃない。

(白帝ニュース平成26年1月)


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