“こころの健康づくり”…健康日本21・第2次の活動への取り組みに向けて
副院長 井上眞人

昨夏開催されたロンドンオリンピックの感動も冷めやらぬなか、JOC日本オリンピック協会による、東日本大震災復興支援のためのプロジェクトとして、被災地で行われている、オリンピックデー・フェスタなどの様子が報道されております。オリンピアンのスポーツウェアに刻まれた、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」というメッセージをご覧になった方も多いと思います。
昨年10月、山口市で開催された日本公衆衛生学会にて、平成12年から始められた21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」の10年間の取り組み状況の評価等に基づいた「健康増進計画とデータ活用」をテーマとした公衆衛生活動の遂行能力向上セミナーを受講しました。「健康日本21」最終評価によれば、「身体活動・運動」分野では、「外出について積極的な態度をもつ人の増加」、「何らかの地域活動を実施している人の増加」の項目で目標を達成し、「意識的に運動を心がけている人の増加」、「安全に歩行可能な高齢者の増加」も改善をみましたが、「日常生活における歩数」が減少してしまいました。
「休養・こころの健康」分野では、「睡眠による休養を十分にとれない人」の割合の1割以上の減少(基準値:23.1%(平成8年度健康づくりに関する意識調査))が目標値に達したとされた一方で、「ストレスを感じた人」の割合(基準値:54.6%(同上調査))については平成20年国民健康・栄養調査で61.3%と、悪化がみられました。自殺者については、年間3万人前後の水準で推移しており、昨年は27,766人(警察庁速報値)との発表もありましたが、残念ながら22,000人以下とされた目標の達成は困難でした。
同学会では、「健康日本21(第2次)のねらいと戦力」と題したシンポジウムも開かれました。昨年7月に厚生労働省より公表された、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会資料によれば、「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標」のなかで社会生活を営むために必要な機能を維持するために、身体の健康と共に重要なものが「こころの健康」である、とされ、「こころの健康」の具体的な項目として、①自殺者の減少、②気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少、③メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合の増加、④小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医師の割合の増加が挙げられ、また、「休養」に関しては、①睡眠による休養を十分にとれていない者の減少、②週労働時間60時間以上の雇用者の割合の減少、が挙げられています。
さらに、今後必要となる「ストレス対策」として、①ストレスに対する個人の対処能力を高めること、②個人を取り巻く周囲のサポートを充実させること、③ストレスの少ない社会を作ること、が挙げられ、特に個人の対処能力を高めるには、ストレスに関する正しい知識の習得、健康的な生活習慣による心身の健康の維持、自らのストレスの状態の把握、リラックスや気分転換などに柔軟に取り組むことなどが重要であり、こうした情報を広く提供していくことが求められています。
山口へ向かう新幹線車窓から、煙突の炎とまばゆいばかりの工場夜景(徳山・周南コンビナート)が幻想的でした。山口では、市内湯田温泉街に、中原中也記念館(生家・中原医院跡地)を訪ね、ひととき、静かな時間を過ごすことができました。
ストレスの少ない社会の実現性への議論はさておき、(医療法人)桜桂会では、精神保健福祉業務に携わる各部門のスタッフが連携し、ストレスとストレス対処に関する適切な情報をお示しし、地域の皆様の笑顔を励みに、「こころの健康」の維持・増進活動に取り組んで参ります。今後とも、皆様のお力添えをよろしくお願い申し上げます。

(白帝ニュース平成25年2月)


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