診療報酬改定と「障害者総合支援法」案について

院長 加藤 荘二

まず4月に診療報酬の改定がありましたので、その概略と精神科領域の主だった変更点を説明します。今回は介護保険と同時改定であり、2月17日に閣議決定された「社会保障と税の一体改革」大綱で示された基本方針通りのもので、以下の2つの重点課題と4つの視点から改定されています。
重点課題
(1) 急性期医療の適切な提供に向けた病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減 
(2) 医療と介護の役割分担の明確化と地域における連携強化の推進及び地域生活を支える在宅医療等の充実 
4つの視点
(1) 充実が求められる分野を適切に評価していく視点 
(2) 患者からみて分かりやすく納得でき、安心・安全で、生活の質にも配慮した医療を実現する視点 
(3) 医療機能の分化と連携等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点 
(4) 効率化余地があると思われる領域を適正化する視点 
精神科については、(1)で、精神疾患に対する医療の充実として取り上げられており、当院に関わる主な変更点は以下の通りです。
急性期入院医療 
・ 精神科救急医療機関の身体合併症の評価の見直し(身体合併症管理加算の引き上げ) 
・ 精神科救急医療機関と精神科医療機関の連携についての評価を新設(精神科救急搬送患者地域連携紹介加算と受入加算の新設)
慢性期入院医療 
・ 精神療養病棟において重症者を受け入れている病棟を評価(GAF加算の変更、GAFスコアー40以下40点加算が、40以下30点 30以下60点に変更) 
・ 退院支援部署による支援で退院を行った場合の評価 
地域における精神医療 
・ 通院・在宅精神療法(初診)と認知療法・認知行動療法で精神科救急医療体制の確保に協力している精神保健指定医の評価 
・ 向精神薬の多量・多剤投与の適正化(抗不安薬と睡眠薬の処方薬剤数が3剤以上の場合は精神科継続外来支援・指導料の減額) 
・ 抗精神病薬を服用している患者に対して、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)を用いて錐体外路症状の重症度評価を行った場合の加算 
・ 入院中の患者にデイケアを行った場合、1回に限り所定点数の50%算定 
それ以外では、精神科急性期治療病棟が医師事務作業補助加算の対象になること、同一医療機関において複数の診療科に受診した場合、2科目目にも再診料(34点)が算定できること、後発品使用促進のため処方箋に一般名で記載した場合2点の加算がありますが、薬価が大きく切り下げられますので、当院では今回もわずかですがマイナスになりそうです。
「社会保障と税の一体改革」については消費税や年金のことばかりに関心が集まり、医療や介護についてはあまり話題になりません。ここでは団塊世代の高齢化で医療介護の需要がピークに差し掛かる2025年を見据えて、高度急性期への医療資源の集中投入、病院・病床の役割分担・連携の推進、在宅医療の充実などで、医療サービスの重点化、効率化を図り、「医療」から「介護」に、「施設」から「地域」へとシフトさせることで、医療介護費用の抑制を図ろうとしています。精神科も例外ではなく、今後の改定で急性期治療や救急関連、在宅医療以外の部分にプラスの評価がされることはほとんどないと考えられます。
さて障害者自立支援法に代わる新法案として、「障害者総合支援法」案が閣議決定され、今国会に提出されることになりました。この新法には、基本理念に「共生社会の実現」などが盛り込まれ、障害福祉サービスの対象を難病患者にも広げること、重度訪問介護サービスの対象を知的・精神障害にも広げること、法施行後3年を目途に障害程度区分の認定方法や支給決定のあり方を見直すなどとありますが、白帝ニュース12月号で紹介した「(仮称)障害者総合福祉法の骨格提言」はほとんど取り入れられておらず、実質的には障害者自立支援法の改正に過ぎないようです。これに障害者団体が反発するのは当然でしょう。また現行の障害者自立支援法には、地域生活移行事業と就労支援事業以外は単価が低いという別の問題が存在しています。今年4月に障害福祉施設の全ての事業が(自立支援法の)新体系に全面移行しますが、今後の施設の経営は厳しくなりそうです。
このように病院や施設の運営はより厳しくなりますが、医療や福祉サービスの質の低下を来たすことのないよう努力していきますので、今後も宜しくお願いします。

(白帝ニュース平成24年4月)


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