こころの健康を守る,
 効果的なコミュニケーションと適切な情報の提供に向けて

副院長 井上 眞人

東日本大震災、および、原子力発電所事故による影響で被災された皆様、そして、ご家族の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
震災後、3月15日付で、厚生労働省によってまとめられた「被災地での健康を守るために」のなかで、「こころのケア」について以下の様なことが示されました。
“今回の地震のように大変重いストレスにさらされると、程度の差はあっても誰でも、不安や心配などの反応が表れます。まずは休息や睡眠をできるだけとるようにしましょう。これらの不安、心配の多くは時間の経過とともに回復することが知られています。不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法もあります。実践してみましょう。しかし、1)心配で、イライラする、怒りっぽくなる,2)眠れない,3)動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる,などのときは無理をせずに、まずは身近な人や、専門の相談員に相談してみましょう。また普段からお互いに声を掛け合うなど、コミュニケーションを取るなどしてこころのケアをすることが大切です。”
さらに、3月18日には、“こころの健康”を守るために、被災された方に向けて、こころの健康に関する大切なこととして、以下の様な呼びかけがなされました。
・お互いにコミュニケーションを取りましょう。
・誰でも、不安や心配になりますが、多くは徐々に回復します。
・眠れなくても、横になるだけで休めます。
・つらい気持ちは「治す」というより「支え合う」ことが大切です。
・無理をしないで、身近な人や専門家に相談しましょう 。
<周りの人が不安を感じているときには>
・側に寄り添うなど、安心感を与えましょう。
・目を見て、普段よりもゆっくりと話しましょう。
・短い言葉で、はっきり伝えましょう。
・つらい体験を無理に聞き出さないようにしましょう。
・「こころ」にこだわらず、困っていることの相談に乗りましょう。
<特に子どもについては、ご家族や周囲の大人の皆様はこのようなことに気を付けましょう>
・できるだけ子どもを一人にせず、安心感・安全感を与えましょう。
・抱っこや痛いところをさするなど、スキンシップを増やしましょう。
・赤ちゃん返り・依存・わがままなどが現れます。受け止めてあげましょう。
そして、私達一人ひとりが、お互いに目前の脅威に対する危険情報を共有することにより、「危機を予防したり、被害を最小限にしたりする」ための双方向的な過程である「リスクコミュニケーション」と呼ばれる言葉が、よく聞かれるようになりました。リスクコミュニケーションの情報発信者の主な留意点として、以下の様な点が挙げられています。
・情報の発信元は一本化する。
・情報は正確・迅速・透明に伝える。
・情報の聞き手が知りたいメッセージを伝える。
・情報の鍵となるメッセージは繰り返し伝える。
・情報の内容には5W1H(whyなぜ、what何を、who誰が、whereどこで、whenいつ、howどうした)を盛り込む。
・情報の内容では専門用語は避け,聞き手が理解できる平易なメッセージを伝える。
・判明していない内容には隠し事をせず、判明していないことを伝える。
・ネガティブなメッセージには問題解決に向けたポジティブなメッセージを併せて伝える。
・言語的なメッセージ(服装・表情・感情など)にも留意する。
(重村淳:リスクコミュニケーション(risk communication).トラウマティック・ストレス8;182-183,2010)
当院待合室でも閲覧して頂ける、全国のご家族と家族会をつなぐ機関誌「月刊みんなねっと(全国精神保健福祉会連合会)」の昨年9月号に、被災地:岩手・宮城・福島のご家族の体験、そして、10月号では、被災地の精神保健・医療・福祉に関する報告が特集されています。精神看護領域では、危険な状況にさらされたあと、それを乗り越えることを説明する概念「レジリエンス」を援用した「レジリエンス低下リスク状態;有害な状況または危機に対して肯定的な反応パターンを保持する能力低下の危険がある状態」、さらに、「非効果的なパートナーシップ・リスク状態:互いのニーズを認め合うには不十分であり、共同的なパートナーシップを築くことができない危険がある状態」といった判断の下、(いまここで)大切な人との役割の変化に応じた、支えあう周囲の方々との効果的なコミュニケーション、そして、正確な情報の活用に関するケアが重視されています。
(NANDA-I看護診断 定義と分類2009-2011.医学書院,2009,NANDA International Nursing Diagnoses Definitions 2012-2014.Wiley-Blackwell,2012)
…上記⑥に反して、堅苦しい表現になってしまい申し訳ありません。医療法人桜桂会では、精神保健福祉サービス利用者の方々が、日々直面している問題に対して、効果的なコミュニケーションを通して適切な情報の提供に努め、利用者の方々の主体的な選択を支援できればと考えております。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(白帝ニュース平成24年2月)


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