2012年カワル

理事長 吉田 弘美

去年は3.11以降、本当に色々な事が世界に起こりました。喜ばしい事はちょっぴりで悲しかったり辛かったりといった気持ちに苛まれた人がとても多かったと思います。でも、しっかりと新しい年はやってきました。いつも思うことですが時というやつは我々の気持ちなんか、いつもお構い無しですね。人々の様々な思いなどとは関係なく、また新しい年を我々は迎える事になりました。
なんか暗い出だしで始まってしまったけれど、今年はどんな年になるのでしょう。歴史には色々なターニングポイントがあるけれどそこから人々の生活がガラリと変わるような事はないと思います。第一、大多数の人はそんな劇的な変化に対応する術も持ちあわせていないし、それに耐えられる人間など、そういるはずもありません。多分、今がずっと過去になった時、凄い時代だったんだと言われる事でしょうが、案外その時代に生きた人々は普通に時間が過ぎて行くものだと思います。なぜこんな話をするのかといえば、確実に日本は変わると思うからです。なぜそうかと言えば、あれだけの災厄に見舞われても日本人は取り乱すことなく運命を甘んじて受け入れ、「生きているだけで十分です。」と言える国民だからです。
私が生まれたのは戦後十数年たった頃です。学校では日本人は優柔不断だからいけないとか、自分の意見をしっかり持ちなさい、もっと自分を主張しなさいとか言われました。さらに、そもそも日本語は主語があいまいだからいけないのだとも言われました。猛烈に個人というものに焦点が当たりだした時代でした。それでも何か心の片隅に引っかかる物があるものの、確かにそうかもしれないなぁ~なんて思いながら、世は昭和元禄からバブルへ。個性が大事、個性的になることが人生の目標なんて事も言われました。個性的な人間になり、名前や地位を残してこそ人生の成功者なのだよ……と。そう言われその気になって服装や本、果てはライフスタイルと色々試してみたものの、だからどうしたという程度。ふっと気がつき我が身をみれば,老いたおかげで十分に個性的です。一体全体、今まで何をしていたんだろうと思ったわけです。個性を磨き名を残したって、それがそんなにすばらしいことでしょうか。確かにね、そういう風に思っていた時も正直ありました。でも、今はそれよりも名を残すことなく作品を残す、職人にとてもあこがれます。四の五の言わず能書きやウンチクをたれることもなくそっと自分の作を残すだけ。チョット片隅に自分だけのサインをして。カッコいいな。なぜそんな風に思うのかと言えば、名前や地位を残すっていうのは一人ぼっちのように思えるからです。オギャと生まれた赤子の時は自分の周り360°の世界や可能性が広がっていたわけです。そこから名前や地位を残すために世界をひたすら小さくし自分の可能性を特化していくと孤独すぎないでしょうか?それよりも皆と自然と繋がっているほうが、はるかに幸せではないでしょうか?
日本人は名を残すような個性もなく、優柔不断で自己主張をしない国民でよかったんです。「生きているだけで十分です。」の裏には、生かされている自分を強烈に意識しているのだと思います。そして生かされている自分への強い感謝があると思います。孤独で確固とした個人など目指さず、曖昧で優柔不断かもしれないけれど皆と自然と繋がるゆるい個人の日本人。そう日本人は何も変えなくて良かったのです。ありのままで良かったのです。2011年の災厄でそれに気づいた日本人は、だから確実に変わります。今年がその最初の一年だと思います。
おかげさまで私も年始にこうして文章を書くことが出来ました。みなさん最後まで読んでくれてありがとう。

(白帝ニュース平成24年1月)

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