眠りのヒント

看護部長 永田 英樹

J・S・バッハ(1685~1750)の作曲した楽曲の中に、「ゴルドベルク変奏曲」というものがあります。有名な曲で、鍵盤楽器のための曲です。
この曲は、ロシア大使としてドレスデンに滞在していたカイザーリンク伯爵が不眠症に悩んでおり、夜にゆったりと眠れるようにと、彼に仕えていたドイツの音楽家ヨハン・ゴットリープ・ゴルドベルクを通じてバッハに曲の依頼をしていました。もともとの曲名は「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」というものでしたが、伯爵のためにゴルドベルクが弾き聴かせていたため「ゴルドベルク変奏曲」の俗称で知られるようになりました。不眠症に悩んでいたというよりも、眠れない夜を少しでも安寧に過ごせるようにとの意図があったとも言われています。
極端な話ですが、人間は活動と休息(睡眠)を繰り返しながら社会生活を営んでいます。それは基本的なことであるために、特に休息がとれない場合は、何かしら支障が生じ、徐々に生活に乱れを来たしてしまいます。夜に眠れないというのは大変辛いものです。入眠できない、途中覚醒して眠れない、熟眠感が無いなど色々な不眠・睡眠障害のパターンがあります。それらに対してどうすればいいのでしょうか。
厚生労働省健康局の平成15年の健康づくりのための睡眠指針検討会報告書では、国民の睡眠についての現状や課題などが報告されています。その中には、健康づくりのための睡眠指針として「快適な睡眠のための7箇条」が提唱され、説明が記されています。その7箇条を挙げますと、
(1) 快適な睡眠でいきいき健康生活
(2) 睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター
(3) 快適な睡眠は、自ら創り出す
(4) 眠る前に自分なりのリラックス法、眠ろうとする意気込みが頭をさえさせる
(5) 目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオン
(6) 午後の眠気をやりすごす
(7) 睡眠障害は、専門家に相談
ということです。
それぞれに解説が付記されており(紙面の都合書き出せませんが)、厚生労働省のホームページで見ることもできます。
7箇条のそれぞれが全ての人に快適な睡眠をもたらしてくれるという保障はありませんが、何かしらのヒントを掴み、日頃から少しずつでも生活パターンの調整をしたり、夜の過ごし方を工夫していくことが必要です。又、何らかの疾患によって睡眠障害が起こっている可能性もありますので専門医に相談することも必要となってくると思います。
夜が無いといわれる今日、テレビ―――以前は、午後10時頃になると画面は、いわゆる砂嵐となって映像は朝までお預けでした―――もラジオもインターネットもお店も何もかもが24時間休み無しなので、暗く(夜に)なったら休む・眠るという習慣は遠い昔のこととなっています。
今時、眠れぬ夜に枕元で音楽を奏でてくれる人などいませんが、不眠に悩む方が、自分なりの「ゴルドベルク」を見つけて、快適な睡眠が取れるようになるといいですね。

(白帝ニュース平成23年5月)


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