氷雪に輝く涙,「恐れ」を感じる状況から
 ウェルビーイングな状態に向けて

副院長 井上 眞人

昨シーズン、バンクーバー・オリンピックでの日本選手の活躍、素晴らしかったですね。フィギュアスケート・シングル競技日本代表6名は、見事に全員入賞!髙橋大輔選手の表彰台での涙、そして、浅田真央選手のフリープログラム直後の涙のインタビュー、二人のメダリストの姿が今も心に甦ります。さらに、翌3月にトリノで開催された世界選手権大会では、髙橋選手、浅田選手が金メダルに輝きました。世界ジュニア選手権(オランダ・ハーグ)でも、羽生結弦選手、村上佳菜子選手が優勝を果たしており、シニア、ジュニアを通して男女シングルを日本選手が制しました。
今シーズンも、3月に東京で開催される世界選手権に向けて、日本選手の活躍が報じられています。国際スケート連盟(ISU)グランプリシリーズ初戦、名古屋(日本ガイシアリーナ)で開催されたNHK杯では、髙橋選手が優勝、地元愛知の村上選手が3位で表彰台にあがりました。村上選手は、髙橋選手と共に第4戦スケート・アメリカ杯でアベック優勝を果たし、グランプリファイナル(中国・北京)初出場で3位表彰台に輝きました。同大会では、中国大会・フランス大会を制した小塚崇彦選手が男子3位となり、中国大会・ロシア大会を制した安藤美姫選手、そして鈴木明子選手が出場するなど、日本選手6名中4名を愛知県出身選手が占めました。
昨年末、ホワイトクリスマスとなった長野(ビッグハット)で開催された全日本選手権大会。髙橋選手、浅田選手の状態が心配されるなか、男子では、小塚選手初優勝、髙橋選手もフリープログラム2位で総合3位となり、織田信成選手とともに、世界選手権代表に決定。女子では安藤選手が優勝、フリープログラムでの力強いガッツポーズが印象的でした。浅田選手も想いを込めたトリプルアクセルジャンプ、ショートプログラム成功、フリープログラムでも着氷、そして、清らかに愛を表現した心あたたまる演技で、準優勝。村上選手が3位につけ、上位3名が世界選手権代表に選出されました。鈴木選手も4位と健闘し、安藤・浅田両選手とともに四大陸選手権(台湾・台北)代表に選ばれています。四大陸選手権には、全日本でショートプログラム2位総合4位につけた羽生選手も、小塚・髙橋両選手とともに男子代表に選ばれました。一方、今シーズン限りでの引退を表明している選手の力の限りを尽くした演技を観ることができました。世界選手権出場経験を持つ南里康晴選手もその一人です。集大成の演技、そしてキス・アンド・クライでのコーチとの涙、心に迫るものがありました。南里選手は同じく福岡県出身の中庭健介選手とともに“はちのへ”国体に出場、フィギュアスケート成年男子部門で福岡県が優勝しました。その他3部門(少年男子・女子、そして、鈴木選手が出場した成年女子)を愛知県が制しています。
当白帝ニュースにて昨年5月より、杉浦琢、黒川淳一両精神科医長による認知行動療法のコラムが掲載されておりますが、院内各部門のスタッフが幅広く参加して認知行動療法研究会がたちあげられました。同研究会では、昨年10月名古屋で開催された日本認知療法学会の伝達講習が行われ、看護スタッフより、“ウェルビーイング・セラピー (well-being therapy) ”に関するワークショップ参加の報告がありました。“ウェルビーイング”は、世界保健機関(WHO)の提唱した「健康とは単に病気ではない、虚弱でないというのみならず、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態を示す。」という健康の定義により広く知られていますが、この療法でも人間の優れた機能(human strength)に着目するポジティブ心理学が援用されており、「環境の制御・個人的成長・人生の目的・自律性・自己受容・良好な人間関係」といった領域について、幸福の追求を妨げる認知が検討されます。ポジティブ心理学では、ポジティブ(肯定的)な感情とネガティブ(否定的)な感情を一つの物差しの対極とは考えず、ポジティブな感情に関しては「喜び」と「悲しみ」、そして、ネガティブな感情に関しては「恐れ」と「快適」の両極の間の変化を評価する取り組みがなされています。そしてポジティブとネガティブの双方の感情と問題解決に取り組む意欲との関連が注目されています。悲しみに打ちひしがれる状況の中でも、「恐れ」を感じる状況を一つひとつ解決する過程で、心の健康を回復する“強み”を再確認することができるのかもしれません。
同じく先月号にて、認知行動療法を活用した復職支援(リワーク)プログラムのご案内をさせて頂きましたが、広く地域の皆様方との交流を図る目的で、犬山精神保健福祉研究会の活動が進められております。今後とも、皆様のお力添えをよろしくお願い申し上げます。
(引用;島井哲志:ポジティブ心理学 21世紀の心理学の可能性.ナカニシヤ出版)

(白帝ニュース平成23年2月)


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