音楽と会話

看護部長 永田 英樹

今年はF・ショパンの生誕200年(R・シューマンも同様ですが)で、色々な催しやコンサートが行われ、刊行物・CD等の発売もされています。
ショパンは皆さんもご存知のとおり「ピアノの詩人」といわれています。1810年(~1849)生まれの、ポーランドの作曲家です。その曲については色々なところで使われているために、聞かれたことも多いと思います。
彼の祖国ポーランドは、大国による干渉と分割を幾度となく経験し、ポーランド王国が再興されましたが、実質的にはロシアの属国であり、その圧政の影響も受けていました。
ショパンはほとんどがピアノ独奏の曲で、ピアノにこだわりもあったようです。当時の学派に囚われない、ポロネーズやマズルカ等、祖国ポーランドの民族音楽の影響を受けた曲が多くあります。
私事ですが、小学6年生の時に放送係になりました。登校・下校時に放送を入れたり、昼食時に音楽を流したりしていました。その時に流す音楽はクラシックが多く、ショパンの「軍隊」と名付けられたポロネーズを聴いた時、「いい音楽だなあ」と思い、クラシックに興味を持ち始めました。父親にレコードを頼み、買ってきてもらってから現在までの40年間クラシック音楽を聴いています。その当時はクラシックにそんなに詳しくなく(今もそうですが)買ってきてもらったポロネーズが曲調は同じですが、なんか違う曲でした。そのポロネーズはいわゆる「英雄」と名付けられたもので、ポロネーズというものにも色々とあるんだなと、子供心に感じていました。
F・ナイチンゲール(1820~1910)は「看護覚え書」のなかの「物音」の章で、病人に音楽を聞かせることの効果について肯定的ではありますが、「ピアノのような音がつながらない楽器の音は逆の効果をもたらす。いかに優れた演奏といえども、ピアノの音は病人を痛めつける…」と書いています。ピアノは、鍵に連動したハンマーが弦をたたいて音が出る仕組みになっています。ペダルを使い音の繋がりを作ることはできますが、音が弦楽器や管楽器と比べて滑らかさにやや欠けます。生まれが10年差ぐらいなので、同時代に生きていたナイチンゲールがショパンの音楽を聞いたかどうかは知りませんが、ピアノは患者に対しては「物音(騒音?)」として捉えられています。現代でも、医療現場において音楽が利用されていることが多く、様々な方法で行われ、良い効果を上げています。
私たちが患者さんと会話する時にも同様なことがいえると思います。声の速さや、トーン等で聞きやすかったり、聞きにくかったりするのはもとより、話し手の感情の入れ方により、相手に対する気持ちも左右させてしまいます。音楽は、心を癒す良い手段だと思いますが、日ごろ私たちが患者さんにかける声は、音楽のように心地よいばかりではありません。しかし、患者さんが毎日を不安なく過ごせるためには、看護師による声かけは重要であり、その話し方も技能が必要だと思います。いつも優しい言葉ばかりではなく、悲しい話をする時、楽しい話をする時、勇気付ける時、注意を促す時等様々な話し方があり、声の質も変化させます。感情の入れすぎも困りますが、感情のこもらない一辺倒な話しかけも事務的で受ける側としては素っ気無く感じます。そこを看護師はうまく使い分けていきますし、その技術は精神科の看護師ならではのものだと思います。
今回原稿を書くにあたり、わたしもクラシック音楽を聴きその時々の気持ちが変化させられるように、声かけが他者をどのように変化させるかを改めて考えてみました。

(白帝ニュース平成22年5月)


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