1年間を振り返って

院 長 加藤 荘二

保健所の立入検査と精神科病院実地指導が無事終わり、一息ついたところでこの1年を振り返っています。白帝ニュース8月号で、今年は「8病棟体制のバランスを第一に考え、その中で機能分化を進める」という方針で臨んだものの、急性期治療や身体合併症治療、事故防止が優先されて、精神科慢性期の治療が後回しになっているという現状を報告しました。特に1月から3月にかけては急性期病棟以外からの退院がほとんどなかったため深刻な事態と受け止めていました。しかしその後慢性期病棟からの退院が少しずつ増え、患者さんの転棟も多くなり、病棟も活気を取り戻しつつあります。閉鎖と開放の病床数の不均衡も解消し、南1病棟で無理に「個別開放」をする必要もなくなり、病棟と患者さんとの「ミスマッチ」はほぼ消失したため、ようやく機能分化を進める体制が整い、病棟ごとの診療方針を作成しました。各病棟の機能と診療方針は病棟のナースステーションに掲示してありますのでご一読願います。
さて今年の犬山病院の最大の出来事は(財)日本医療機能評価機構の認定病院の更新でした。当院は病院機能評価が開始されたばかりの1998年10月に審査を受けて認定病院になり、2004年5月に更新し、今回が3回目の受審でした。訪問審査は7名のサーベイヤーにより10月20日(月)午後から22日(水)午前にかけて行われました。20日は書類審査、21日の午前は病院幹部職員の面接、午後は部署訪問、22日は前日回ることができなかった部署の訪問と問題になったことの確認があり、その後サーベイヤーのみでミーティングがもたれました。最後に全体講評があり、大きな問題点として職員の禁煙への取り組みが不十分で喫煙場所が不適切であること、医療廃棄物の処理に不備があること(一部でバイオハザードマークの表示区分が不明確)、カルテの中央管理が不十分なこと等が指摘されました。また2日目の部署訪問ではカルテの記載方法など細かな事まで指摘されていましたので、審査結果は厳しいものになると覚悟していましたが、11月下旬に届いた審査の「中間的な結果報告」では予想外に評価は高く、意外な感じがしました。ただし、改善が必要な事項としては以下の項目が挙げられています。
(1) 外来患者のプライバシーの確保について
採尿室がないため検体容器が他の患者の目に触れる可能性がある
(2) 入院患者のプライバシーの確保について
一部の病室の更衣する場所にカーテンがない
(3) トイレについての施設的な配慮について
外来に車椅子用のトイレがなく、南1病棟の車椅子用トイレにナースコールがない
(4) 診療録の管理について
全ての診療録の所在を示す台帳のようなものがない、貸し出し期限を守らせる仕組みが明確でない
(5) 病棟の廃棄物処理について
感染性廃棄物と非感染性廃棄物容器の両方にバイオハザードマークが貼付され分別が明確になっていない
(6) デイケアに関する収入の管理について
デイケアで行われる外来喫茶の収入は全て患者に還元し、コーヒー豆や砂糖等の原材料費はデイケア費用として支出すること
以上指摘を受けた事項については早急に改善して、2ヶ月以内に「補充的な審査」を受けて最終の審査結果を待つことになりますが、外来の車椅子用トイレの設置はそれに間に合うかどうか微妙であり、カルテ管理の台帳の作成は容易なことではありません。また職員の喫煙問題については、館内喫煙を禁止して、中庭の職員食堂から少し離れた所に東屋を作り、そこでのみ喫煙を許可していますが、「中間的な報告」では触れられてはいないものの、訪問審査において一部のサーベイヤーから場所が適切でないと指摘されており、このままにするのか、別の適当な場所に移すのか、或いは敷地内禁煙とするのか決めなければいけません。これについては職員の皆さんの意見を広く聞いて判断していくつもりです。
病院機能評価に対しては「現実と乖離している」「形式にとらわれ過ぎている」「独善的、教条主義的である」「認定病院になっても何もメリットがない」等、様々な批判や不満がありますが、それよりも認定病院の評価基準に厚労省の意向が強く反映されるようになっていること、認定病院であれば医療法人の理事長は医師歯科医師以外でもよい等規制緩和に一役買っていること、「緩和ケア」の算定要件に認定病院であることが条件となる等診療報酬にも取り込まれていること等、本来の趣旨である「第三者評価」からどんどん遠ざかっていることが一番の問題と考えています。当院が他院に先駆けて受審したのは「第三者評価」を求めたからであり、私に今回受審の意欲が湧いてこなかった最大の理由も、そのような病院機能評価のあり方に疑問を抱いていたからです。9年前に日本医師会館で開かれた認定病院の集い(正式な会合名は忘れてしまいました)で、当時の日本医師会会長であった坪井栄孝先生が、「医療機能評価機構は『第二の厚労省』になってはならない」と述べられたことを今でも記憶していますが、その坪井先生が日本医療機能評価機構の現在の理事長です。先生の今後のご活躍を期待しています。

(白帝ニュース平成20年12月)


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