医療機能評価について

副院長 井上 泰弘

今年も3度目の医療機能評価を受審する時が近づいてきました。各部署とも準備に大わらわでしょうが、ここでもう一度この制度を受審する意味について考えてみましょう。
医療機能評価機構ができて10年以上になります。当院は全国でも先駆けて受審し認定をいただきました。現在では日本にある9000以上の病院・診療所のうち2000以上が認定を受けています。しかし当面の目標だという3000以上という数字にはまだ到達せず頭打ちになっているようです。また本来の目的である日本の医療の質向上に役立っているのかどうかについてはまだ検討自体がなされていません。
では受審した病院にとっては、認定を受けることにはどのような意味があるでしょうか。認定を受けるとその病院は機構によってある一定以上の機能を持ったものといわば「お墨付き」をもらったことになるわけですが、実際できることと言えば病院の玄関などに認定証などを掲示できる、広報誌などに載せられる、病院案内に載るぐらいのことで「それから受診患者数が大幅に増えた」とか「信頼度がぐっと上がった」などという話はあまり聞きません。実際の受審準備には文書の整理などの事務がとても多く、携わった方々としてはマニュアルや書類の整備ばかりでどういう意味があるのだろうと疑問に思う方も多いでしょう。
私は受審の最大のメリットは「病院が外からの批判の目にさらされること」だと思います。病院という組織は高度な専門家の集まりであり、しかもそれぞれの分野が複雑に絡み合って膨大な仕事をしています。しかも日本の医療機関はどこも少ない人数と予算でぎりぎりのことをやっているため仕事や考え方がだんだんと閉鎖的になり独善的になる危険が常にあります。一度あるやり方で問題がないと思ってしまうとそれを改善することがなかなかできなくなり、時には安全を軽視するようにさえなってきます。最近三重県の診療所で起きた院内感染事故はまさにそういうところから起こりました。
医療機能評価を受審すると病院内でなされている仕事内容を非常に詳細に報告し評価してもらわなければなりません。この過程で自分たちのやっていることを客観的に見直すことは病院内の仕事の透明性を高めるのに非常に役に立ちます。またサーベイヤーの厳しい目にさらされる緊張感が病院内に漲ることは仕事のリフレッシュにもなります。
もう一つのメリットは業務の方針や内容・手順を明確にし文書化することにより病院の仕事全体が「見渡しのよい」ものとなることです。長い間には仕事の内容が慣習化・常態化してしまってやっている本人たちにもその意味がはっきりしない場合があったりするものです。これを定期的に見直して意味を考え直すことは仕事の活性化につながります。
私は機能評価のサーベイヤーの仕事にも少し携わりましたが機能評価を受けている病院は皆「まじめな」病院であることは少なくとも言えそうです。今の時代、「まじめな病院」と評価されることはとても貴重なことですので実はこれが最大のメリットかもしれません。

(白帝ニュース平成20年9月)


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